東北大学大学院医学系研究科遺伝病学分野ではヌーナン症候群とその類縁疾患の遺伝学的研究を行っております。これまでにも多数のご家族や主治医の先生に研究へのご協力を頂きありがとうございます。
ヌーナン症候群類縁疾患の日本での頻度はまた明らかではありません。私達の研究室での2009年までの解析で、コステロ症候群とCFC症候群の患者さんで遺伝子変異が同定された患者さんは、それぞれ30名ずつになっています。しかしながら、類縁疾患の患者さんの約半数には未だ遺伝子異常が同定されず、その原因は明らかではありません。またわが国における患者数・予後・合併症・治療などの実態は全く不明です。私達は文部科学省や厚生労働省から研究費の援助をうけて、1)ヌーナン症候群類縁疾患の臨床診断・分子診断と診断基準の作製、2)疾患モデルマウスの作製とその病態の解明、3)日本での患者数の調査とその合併症把握などの研究を進めています。
海外ではヌーナン・コステロ・CFC症候群のそれぞれの家族会が発足しており、1年~2年に一回、患者さん御家族と医療者が一緒になってシンポジウムやミーティングを行っております。私達も研究室でもコステロ症候群の原因遺伝子を同定した2006年以降、シンポジウムに参加してきました。シンポジウムでは、患者さんとご家族・医療関係者・研究者が一緒に患者さんの診断・治療に向けて話し合いを行っておりました。日本でも日本の患者さんやご家族へ情報を発信できたらと思い、このページを開設しました。
シンポジウム
- 「2009年シンポジウム:Ras/MAPK伝達経路の遺伝性疾患」に参加して
(当科大学院生小林先生の旅行記はこちら(Word:16KB)、
シンポジウム詳細はこちら) - 「2010年コステロ症候群・CFC症候群シンポジウム」が開催されました
平成22年10月17日(日)に東京の成育医療センター講堂にてコステロ症候群・CFC症候群シンポジウムが行われました。今回は初めての会ということで、厚生省研究班の分担研究者が主治医である患者さんを中心にお声をかけましたが、宮城県、茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府からコステロ症候群・CFC症候群のお子さんをお持ちの28家族計83名の方にご参加いただきました。また当研究班に関わる医師・臨床遺伝カウンセラーなどスタッフの方々、場所を提供して頂いた成育医療センターのスタッフの方々にもお手伝い頂きました。皆様のご参加・ご協力誠にありがとうございました。(このシンポジウムは、平成22年度厚生労働省・科学研究費補助金(難治性疾患克服事業)「コステロ症候群・CFC症候群類縁疾患の診断基準作成と治療法開発に関する研究」により援助を受けました。)
今回は研究班の御茶ノ水女子大学の川目裕先生に「コステロ症候群の症状と診断について」、大阪府立母子総合医療センターの岡本伸彦先生に「CFC症候群の症状と診断について」を講演していただきました。その後シンポジウム申込時に頂いた患者さんからの質問事項に対する回答コーナーや質問コーナーで活発な質問がでました。 「はじめてほかの患者さんやご家族にお会いできてうれしかった」という感想が最も多いものでした。これからもみなさんのご協力のもと、ネットワークが広がっていけばいいなと思いました。 今回参加されたご家族にはシンポジウムの要旨を送付いたしました。今回参加できなかったかたにも要旨を郵送いたしますので、住所、お名前、現在の主治医の名前と「シンポジウム要旨希望」と明記して下記連絡先までFAXをお送りください。よろしくお願いします。
東北大学・医学系研究科・遺伝病学分野 青木洋子 FAX 022-717-8142 - 連絡:11月3日(水)にシンポジウム送付希望のFAXを送付頂いたSさんへ:出張がありFAXが手元に届いたのが5日の夜になりご希望の日時までにサマリーが送付できませんでした。新しい送付先をご連絡ください。よろしくお願いします。
- 「第2回コステロ症候群・CFC症候群シンポジウム」が開催されました
平成23年9月19日(祝)に東京の成育医療センター講堂にて第2回コステロ症候群・CFC症候群シンポジウムが行われました。コステロ症候群・CFC症候群のお子さんをお持ちの25家族計84名の方にご参加いただきました。今回は「RAS/MAPK症候群の研究最前線」(東北大学青木洋子)、「医療のなかの希少難病」(神奈川県立こども医療センター黒澤健司)、「2011 RAS/MAPK pathway syndrome国際学会の報告」(東北大学新堀哲也)の講演がありました。その中でアメリカの患者団体の代表の方からのメッセージビデオが届けられました。その後、成長や摂食、歩行訓練などに対する活発な質問や意見があり、フリータイムでは患者さん同士の交流が行われました。もっと交流タイムがあったらという感想も寄せられました。 3連休の最後にもかかわらず遠方からもお越しいただきました。 また当研究班に関わる医師・臨床遺伝カウンセラーなどスタッフの方々、場所を提供して頂いた成育医療センターのスタッフの方々にもお手伝い頂きました。皆様お疲れ様でした。
海外の家族会のホームページ
海外の患者会として2つ紹介します。患者さんの父母が代表者として運営しています。
- Costello kids
(コステロ症候群のサポートグループのホームページです。トップページの写真をクリックすると患者さんの自己紹介ビデオがみられます。) - CFC international
(CFC症候群のサポートグループのホームページです。こちらにもビデオや患者さんの写真が満載です)